辻占リスト #007050~#007059



#007050
どれほど、人が時間をかけ、心をこめて造ったものであろうと、いったん人の手が離れると、刻が、あっという間に、その間に、人の痕跡を埋めていってしまう。
この圧倒的とも言える時の流れの中で、人の成せることに、人の行なう業に、いったいどれほどの意味があるのか。
(「大江戸恐龍伝 五 (小学館文庫)」)


#007051
おれは、遊び過ぎた。
できなかったことを、みんな人のせいにした。
何もしなかった。
何もできなかった。
(「大江戸恐龍伝 五 (小学館文庫)」)


#007052
こんなところで、くたばるのか。
まだ、何もやっちゃあいないのに。
何ひとつ、まっとうなことをやってない。
しかし、この世で、いったい何人の人間が、死ぬ時に満足して死ねるのか。
やるだけのことはやり尽くした……
そう言って死ぬ人間などはいなかろうとも思った。
(「大江戸恐龍伝 五 (小学館文庫)」)


#007053
おめえを、俺らに守らせてくれ。
(「大江戸恐龍伝 六 (小学館文庫)」)


#007054
その生き残った自分には、何がしかの役目があるのではないか。死んだ者たちの思いを、自分という人間は、背負っているのではないか。
(「大江戸恐龍伝 六 (小学館文庫)」)


#007055
出まかせでも何でもいい。
とにかく、この口で時間を稼がねばならない。
それには、本当のことを言う。真実を口にする。それならば、人は耳を傾ける。
(「大江戸恐龍伝 六 (小学館文庫)」)


#007056
こんな場所、この時代にいちゃあならねえ化け物だ。
盲目で、どっちにゆこうにもそれが定まらない。
傷だらけで、血だらけだ。
あっちこっちへぶつかって、転んで、また起きあがっちゃあ、銃弾を浴びる。
あれは、おれだ。
(「大江戸恐龍伝 六 (小学館文庫)」)


#007057
できることなら、作家として書くより、読者としてこれを読みたかった。
(「大江戸恐龍伝 あとがき」)


#007058
そういうものだ。
人の世とはそういうものだ。
いずれかが先に死ぬ。
残った方は残った方で、生きてゆかねばならない。
そして、いつか、自らも、幾つかの約束を残して、誰かより先に逝くことになるのである。
(「大江戸恐龍伝 文庫版あとがき」)


#007059
「わたしなんてみっともなくって…なにを着たって」
「あら!みっともない若い娘なんていやしません」
(「ポーの一族 復刻版 1 (フラワーコミックス)」)