#007690
寂しいというのは、人だけが心に抱く想いなのだそうだ。
#007691
怒っているのではない。ただ、そう易々と私を信用するなと言いたいだけだ。私自身が己を信じていないのだから。
#007692
急いてはいけない。強いてもいけない。静かに成り行きを見守る。
#007693
魂に実体がないと断じることは、しかし、魂を軽んじてよいということではない。
#007694
人を孤立に追い込むのは、恥と恐怖だ。
#007695
「――不思議なもので、身体の傷の痛みは消すことができるのでございます」
痛みよりも、恐れの方が強いからだ。
#007696
私を押し潰そうとする大岩を、両手で懸命に支えている。一人で、日々力を振り絞って支えている。傍らの誰かに、私は今にも潰されそうだと声をあげて助けを求めることはできない。
#007697
人の善悪は、割って均してしまえるものではない。
#007698
恐ろしくないか。人の罪、人の業という闇は、人を見るぞ。闇に阿り、与すれば、闇につけいる隙を与えることになる。
#007699
幸せにすることができなかった相手だからこそ、想いが断ち切れない。断ち切らねばならぬと頭では思い、そのように告げながら、愛は消せない。