#008270
手が届くことは決してなく、触れることも決してできないが、新しい方向からそれを見て、新しいかたちでそれを理解することを学ぶのは可能だ。
#008271
最初から自分はそれ相応の期待しかしていなかったふりをしていたほうが、もしなにかがうまく行かなかった場合、失望をこらえるのがたやすくなる。
#008272
なにか悲惨な運命がわたしを待ちかまえている、とおそれたのではない。だがどれだけ回数を重ねても、それがじっさいにどんな風なのか、わたしには少しもわかるようにならない。そこにこわさを感じるのを、わかってもらえるかな?
#008273
一体の生命体に日々可能なことといえば、自らを前日とある程度類似した状態に保つのがせいぜいだ。
#008274
それはよくない徴候だ。レッテル以上に人々の忠誠心を固定してしまうものはない。
#008275
答えは寝てからにさせてくれ。
#008276
でも、あなたは風を感じたことがある。土のにおいを嗅いだことがある。わたしたちが失ってしまうものをはっきりと知っている。自分を生みだしたものを、どうしてさげすむことができるの?
#008277
両親から高く評価されることに価値を見いだすのは、単なる子どもじみたナルシシズムではない。
#008278
ぼくはそれを組みたて直せなくても自分が生きていられるときだけしか、なにかを分解したりしない。
#008279
「ぼくはきみを愛していない。きみはぼくにとってなんでもない。ぼくはきみを愛していない」彼は毎日、起床時にいちど、就寝前にいちど、彼女の顔を思い浮かべながら、いまの言葉を唱えることになるだろう。