#009450
失敗から学んだにしてはふざけた教訓だが、良い経験になったようで、私としては大変満足だ。
#009451
「口出しするつもりはない。だが今のお前では、何を言っても喧嘩腰にしかならないだろう。行くにしても、もう少し落ち着いてからにしなさい」
「僕は落ち着いていますよ」
「お前がそう言って、本当に冷静であったためしがあるか」
#009452
罰とは、しかるべき方法で罪を償う事であって、ここであの子を突き放すのは、単に私怨を晴らす事にしかなりませんよ。
#009453
あの子はまるで、あたしの分身だった。幸せになれたかもしれない、幸運な、あたし自身の姿よ。
#009454
あたしには、誰にも愛してもらった記憶がない。だから、普通に愛してやりたいと思っても、その方法が分からなかったのよ。
#009455
どこであたしが野垂れ死にしたって、可哀想にと言いながら、内心では自業自得と嘲るに違いない。
#009456
どうして自分の不幸が、免罪の理由になると思えるのか。
#009457
私が真っ先に感じたのは、「反省できるだけでも上等ではないか」ということでした。
#009458
美は、観る者の魂の精度によっては、どんなものにも宿るという。「美しくないものなど、存在しない」と言ったのは誰だったか。
#009459
眺め返し、考察しない限り、それは美術でも思想でもなく、単なる落書きでしかないのだけれど。