#009550
屈辱がおれのパンになるというなら、その味にも慣れておかなくてはなるまい。
#009551
わたしたちは他国の悪政を許容しません。わたしたち自身の悪政のほうがまだましというわけです。
#009552
能力と職のちがいを学びました。能力なしに職につくことが悲劇なのは誰にでもわかりますよね。ですがその逆は……あまり理解してもらえません。
#009553
これまで受けた中でも最高に残酷な申し出だ。手のない盗人に手袋を押しつけたり、飢えた女に花を与えたりするように、絶望的に的をはずしている。
#009554
これまで受けた中でも最高に残酷な申し出だ。手のない盗人に手袋を押しつけたり、飢えた女に花を与えたりするように、絶望的に的をはずしている。
#009555
〈出会い方が悪かったんです。話せばわかる人だと思います。時間をかけてあげてください〉
〈あなたの予定ではそんな時間はとれないでしょ〉
#009556
いまはまだこれ以上、押すのはやめておこう。幸運をあてにしすぎることも。
#009557
「わたしたちの厄介事に巻きこんでしまってごめんなさい」彼女が静かに言った。
「あなたのせいではありません。そしてわたしは、できることならその後悔をあの人たち全員に共有させたいと思っています」
#009558
「ああ、だがやつの処遇はいま、やつの神のものになった。あんたの身分で口出しすべきではない」
「神学的にもっともな忠告です」
「軍でも有効だ」
「なるほど」
#009559
「わたしは何ひとつ話すつもりはないぞ!」
「それはよかった。わたしはただ話を聞いてほしいだけです」