#009770
人間がつねにないことをするのは不吉なきざしだ、と信じる者は、古代から一度として絶えたことがないのである。
#009771
楽観にかたむいていた者は、季節が逆もどりしたことを感じて、もう一度心の冬じたくをはじめた。
#009772
伝家の宝刀というものは、抜かれる日のためにこそつくられ、用意されているものなのだ。
#009773
報酬など問題ではない。行為の意味こそが重要なのだ。
#009774
他人の思惑に踊らされるのは愉快なことではない。もしそれが崇高な目的を達成するためのものであってもだ。まして、そうではないことがわかりきっているとあっては……。
#009775
可変的要因が多すぎて、論理的思考をすすめるには限界がある。
#009776
その眼光は、苛烈というにはなにかが不足していて、なにかがよぶんだった。
#009777
やらないよりはやったほうがよいはずだ。罰せられてしかるべき行為なら、いずれむくいがあるだろう。誰がそれをなすかは知らないが……。
#009778
恩を売り、こちらの立場を強化するには、相手が窮地にたったとき救助の手をさしのべることである。
#009779
たとえ実質を欠くものでも、組織ができれば頂点に立ちたいと願うのは、政治活動に従事する人間としては当然のことである。