辻占リスト #005010~#005019



#005010
「下手な隠蔽工作をすると、かえって噂に尾ひれがついちゃうよ」
「今だって充分ついてるよ!」
尾ひれが多すぎて、胴体が足りないくらいである。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005011
作り話ほどリアリティがあるんだよ。テレビ局も物書きも、そうでなきゃ商売にならないんだから。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005012
「うん」
嘘ではないが、完全な本当でもない「うん」だった。でも、どこが嘘でどこが真実なのか、自分でも見分けがつかない。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005013
情報とは、常に誤って伝わるものと心せよ。孫子の兵法に書いてあるような気がする。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005014
試行錯誤は許されても、失敗は許されない。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005015
消せない希望は、たとえ本物の希望であっても、人を蝕む。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005016
我が国では、遥か昔の土木技術が未発達のころ、大きな橋をかけたり河川を整備する工事を行う際には、人柱を立てたという。生け贄を捧げることで、工事の無事を祈願したのだ。そういう生け贄は、くじ引きで選ばれたものだと言う。
オレ、何度生まれ変わっても一発で当たりくじを引くタイプなんじゃないか。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005017
人は語りたがる。秘密を。重荷を。
いつでもいいというわけではない。誰でもいいというわけではない。時と相手を選ばない秘密は秘密ではないからだ。
しかし、選ばれる時と相手に、基準はない。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005018
どんなに強くても、女の子だよ。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)


#005019
泣かせようなんて、これっぽっちも思わないんだよ。幸せにしようって、いつも本気で思ってるんだよ。だけどね、なんでか泣かせちゃうことがあるんだ。
(「小暮写眞館(上) (講談社文庫)」)