辻占リスト #010460~#010469



#010460
──神よ、仏よ、どうかわたくしたちから、この子たちから、怨みを遠ざけて下さい。
(「月と日の后」)


#010461
わからなかった。いつも自分に向ける、あの柔和な微笑みの裏で、ひどく悲しんでいるだろうと想像するだけだ。
その悲しみが、どれほど深いものであるか、推し量ることもできない。
果たしてこの自分が、癒やし、慰めることが可能な悲しみであるのかも。
この自分が彼にしてあげられることが、なんなのかも。
それらがわかれば、と願わずにはいられなかった。
(「月と日の后」)


#010462
ただ微笑み合う。それができるようになるまで、五年もかかった。
(「月と日の后」)


#010463
疎外と孤独。それらが人を鬼にするのだ。
(「月と日の后」)


#010464
あくまで彼女たちは打算で動く。計算で誰につくかを決める。
(「月と日の后」)


#010465
自分のことを、これほど思ってくれる人がいる──そう、子に確信させることが大事だった。
(「月と日の后」)


#010466
そう思うだけで、胸の奥がひどく切なかった。いつかこうした悲しみが消える日が来ると信じることもできないでいた。
(「月と日の后」)


#010467
寂しくはあったが、孤独ではなかった。
(「月と日の后」)


#010468
──怨みの全てが、これで晴れたと信じたい。
(「月と日の后」)


#010469
──どうしてこうも天命は厳しいのか。
いったい、この眼が涙で曇らずに済むときは来るのだろうかと悲嘆した。
(「月と日の后」)