#010610
世の中が危険であることばかりでなく、大人たちもまた弱いということを、いやというほど知ってしまったのだ。
#010611
仮病を使ったりしない連中の半分は、大丈夫です、何も問題ありませんとか言いながら、最後にはぶっ倒れちまうんですよ。
#010612
〈文句なんて夢にも思ったことはありません〉
〈ご冗談。いつだって文句ばっかりじゃないの〉
#010613
〈意味のない謙遜で優位な立場を無駄にするんじゃありませんよ〉
#010614
そうした仕事をうまくこなせることはわかっていても、好きではないのだ。自分ではない誰かがやってくれるなら、そのほうがありがたい。
#010615
嚙み砕かれて吐きだされた噂がおぞましい出鱈目を生みだしてしまえば、もっと悪いことだって起こり得る。
#010616
〈心配事なんて一日にひとつあれば充分でしょ〉
一時間にひとつ起こっているような気もする。
#010617
ご存じのように、人はめったに予定どおりに死を迎えたりしませんから。
#010618
「わたしはとにかく答えがほしいです。こんな、こんな……」こぶしを握りしめ、「どんな答えだってかまわないから!」
「求めるべきは正しい答えだけです」
#010619
この話題ならいつまでも語りつづけていられるのだが、いまはそのときではない。