#010620
〈この手紙には、あなたの気を散らして仕事のさまたげになるようなことは何も書かれていませんね。よい妻とはそういうものです〉
#010621
「わたしは……」
妻を支え妻に信頼される人間になりたいのであって、甘やかしたり問題を隠したりしなくてはならない相手だと思われるのは心外だ。
#010622
要求は無限につづくのに、わたしの力は無限ではありません。
#010623
これが運命だというなら、受け入れてみますよ。
#010624
苦悶の多くをいま、自律神経が肩代わりしている。
#010625
半日は気分がいい。半日は地獄にいる。
#010626
恋もしない。それでえられる歓びよりも、失う時間と鋭敏さが惜しい。
#010627
人や犬を見ずして紋切型の注意を繰り返すだけなら九官鳥にだってできるのだ。
#010628
アイデアはシンプルであるほど結果に力を遺す。
#010629
時が私の商品価値を着着と下落させていたせいもあろうし、たぶん変化というのは概ね人間からなにかを剝ぎとるものなのだ。