#010910
いつものように、拒絶されて胸がうずいた。どういうわけか、この痛みが癒えることはないのだ。
#010911
物静かな人間には、口数が多い人にはない空気を読む力がある。会話の風むきの変化を感じとり、言葉にされなかった怒りの冷たさに身を震わせるのだ。
#010912
男にとって家は安らげる場所であり、戦わずして主でいられる場所であるべきだ。そんなにすぎた望みだろうか?
#010913
わたしの希望が法となるべき場所で、わたしは苦しめられ邪魔をされている。
#010914
それはまやかしだが、慰めをもたらす。
#010915
わかってもらうのはむずかしいだろうけれど、たいせつなのは、はた目にどう見えるかだけなの。
#010916
怒りと嫌悪感で息がつまりそうになった。どうしてこの人と話そうなどと思ったのだろう?どうしてこの人が考えてくれると思ったのだろう?
#010917
わたしはいい子なんかじゃない。頭のなかでなにかが解き放たれ、黒い羽をはばたかせて空へと飛びたった。いい子がわたしのように感じるわけがない。わたしは意地悪で噓つきで、怒りに満ちている。わたしは救いを得られない。
#010918
人が信じたがる噓を選べ。
#010919
人は噓にしがみつく。たとえそれが、目の前で噓だと証明されても。だれかが真実を見せようとしても、反発し、全力で抗おうとする。