辻占リスト #010920~#010929



#010920
でも、愛してきたのだ。あまりにも強くあまりにも長く慕いつづけてきて、いまさら手を離すことなどできない。この心と魂は、父のマストに釘づけになっているのだから。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010921
そう、世界は公平なんかじゃない。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010922
だれかになにかを信じてほしいときに、むりやり押しつけてもうまくいかない。それよりも、ヒントを与え、ちらりと見せて味わわせておいてから、さっとひったくるほうがいい。早く走れば走るほど追いかけてくるし、苦労して手に入れたことほど信じるものだ。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010923
なぜ退屈な現実に苦しまなければならないのか?
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010924
迷信に屈するつもりはない。わたしを支配するのは自分の精神であって、恐怖ではない。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010925
あまりにもなじみのない強い感情で、わがものとして感じることができない。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010926
よくわかってくると、見ているのがつらくなった。パンのなかの虫のように、穏やかな顔の裏に思惑がうごめいているのが透けて見える。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010927
さしだすのは噓の一部だけでいい。あとは人々の想像力が、すきまを埋めてくれるのだ。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010928
誇りと力がみなぎってくる。わたしは噓がうまい……しかもどんどんうまくなっている。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)


#010929
うらやましかった。何度も何度も同じゲームをくりかえしても、こんなに楽しめて、ほかの心配をせずにいられるなんて。わたしが失ってしまったもの、いえ、もともともっていなかったものかもしれない。
(「嘘の木 (創元推理文庫 Mハ 27-1) 」)