辻占リスト #006320~#006329



#006320
先のことなど見えて、どれだけのよいことがござりましょう。見えぬからこそ、見えねばこそ、人には生きる悦びも、哀しみもあるということでござります。
(「陰陽師 螢火ノ巻」)


#006321
狼に襲われているところを、虎に助けられたからといっても、食われる相手が狼から虎にかわっただけで、食われる方は何もかわらない。
(「陰陽師 螢火ノ巻」)


#006322
長く生きるだけが、生命のあり方とは思うておりませぬ。たとえ、このことで、生命がどれほど縮もうとも、後悔はござりませぬ。
(「陰陽師 螢火ノ巻」)


#006323
古きものが、常に新しきものと入れかわり、入れかわりして、この天地の間を動いてゆく。この、身が震えるほどの変転の中にあって、人の為せることというのは、いかほどのものであろうか。哀しいほどに、人の為す技は無力ではないか。桜を眺めていると、その人の技のはかなさが思われて、人というものの可憐さに、おれはしみじみとしてならぬのさ。
(「陰陽師 螢火ノ巻」)


#006324
死ぬ気になればなんでもできると己の尻を叩くのも限界だった。死ぬ気になってできることは死ぬことだけだと気がついた。
(「怪獣文藝 (幽ブックス)」)


#006325
このままじゃダメだ、ただ好きでやっているのがバレる。
(「怪獣文藝 (幽ブックス)」)


#006326
体を壊すほど悲しんじゃだめ。自分の人生に集中しなさい。
(「紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」)


#006327
だけど、あなたの存在そのものが、どれほどわたしに喜びをもたらしたのか、わかってもらえるかしら?
(「紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」)


#006328
われわれはいまいるところを離れず、より大きな展望をけっして忘れないように心がけないといけない。
(「紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」)


#006329
だけど、ぼくはたんにしかるべきときにしかるべき場所にいた男にすぎない。
(「紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」)