辻占リスト #009370~#009379



#009370
データは不思議だ。一個の情報がすべてを変えることがある。アルキメデスのてこの原理のように、肝心なものが一つあればいい。ほかはゴミだ。
(「N体問題」)


#009371
ときにはわたしたちは過去を捨てて前に進まなくてはいけない。でないと立ち往生してしまう。背負ってきた荷物を下ろして、そこで捨てないと、前に進めないことがある。望むと望まざるとにかかわらず人生は続く。行く手に待ち受けるものが危険でも怖くても。
(「N体問題」)


#009372
口で準備できていると言いつつ、目の表情はうらはらだ。人間ならだれでも緊張する。
(「猫のパジャマ」)


#009373
人間は自分の気分をペットに投影してしまいがちだ。
(「猫のパジャマ」)


#009374
「泣きたければ泣け。しかし慰めてはやらんぞ」
そう言われて、俺はしばらく泣いた。最近は推奨されている。
(「この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選 (創元SF文庫)」)


#009375
私はウソをついて生きるより、約束を守って死ぬ方を選びたいのだ。
(「超訳文庫アングリマーラ (ホテルの本棚)」)


#009376
頼むから「これを読んだら何か得るものがある」などというカンチガイをしないように。
(「超訳文庫 無門関 (ホテルの本棚)」)


#009377
「道」への入り口としての「門」など、ありはしない。
また、この世のあらゆる場所で「道」でないところなどない。
どこをどのように行こうとも、それらの全てが「道」なのだ。
そこのところがつかめたら、ゆけ!ひとりでどこまでも。
(「超訳文庫 無門関 (ホテルの本棚)」)


#009378
一瞬で無限の時の流れを知ることができるようなヤツなら、「無限の時間」というのは、まさに今この瞬間のことだということがわかるだろう。
(「超訳文庫 無門関 (ホテルの本棚)」)


#009379
いろいろな点で兄さんにはかなわないなあと思いつつ尊敬してるから、
――弟ってもんはさ。
偉い兄さんが好きなんだよねと、じいんときてしまった。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)