辻占リスト #009380~#009389



#009380
とうてい及ばずとも、及ぼうと努める姿勢を捨ててはならぬ。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009381
俺は、この先も己を強く保ってゆく自信を失ってしまった。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009382
考えることから逃げるようになった。別段、日々の役務と暮らしには、それで何の差し支えもない。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009383
怒りを覚えてはいなかった。今や恐れもなかった。ただ悲しみだけが、己の心を冷たい水のように満たしている。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009384
この身を捧げて守ろうとする何ものも持っていない。そのくせ、この身を捧げてしまったら守れなくなるものも持っていない。だから、惜しんでくれる人もいない。
ああ、そうだ。それが悲しい。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009385
旨い旨いと食べながら、こんな旨いものを食べることができる自分は幸せ者だと噛みしめ、こんな旨いものをこの世にもたらしてくださった天の神様と、地上でそれをこしらえてくれる人びとに頭を下げる気持ちになる。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009386
――まあ、いいご身分だよね、わたしは。
それは自分でも重々承知の上だ。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009387
そんなのは強がりだった。この十日間は長かった。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009388
まだまだ修行の足りない聞き手だが、今、目の前にいるこの娘の語りを引き出すために、精一杯努めよう。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)


#009389
しかし、運命は、人の笑顔に頓着してはくれない。
(「魂手形 三島屋変調百物語七之続」)