辻占リスト #011030~#011039



#011030
この恐ろしく歩みの鈍い進化は、俺にとって心理的な枷以外の何物でもなくなっていた。ゼロなら、あるいはマイナスなら諦められたかもしれないのに、ごく僅かずつ積み上がっていくプラスのせいで投げ出すこともできず、ただひたすら益の薄い行為を徒労を感じながら続けるほかなかったからだ。
(「Too Short Notice」)


#011031
深くぬくぬくとした虚無から目覚め、自分が何者であるかを思いだすのは、あまり愉快なことではない。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011032
人数が増えれば、そのぶんだけ、かかわるラム酒と女も増える。そして、ラム酒と女がからめば、自動的に喧嘩沙汰も増える。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011033
憎悪というのはふつう、知っているやつ、気になっているやつに対していだく。怒りは勃然と湧き起こり、すべてに優先される――倫理にも、恐怖にも、自分自身にも。それに対して、憎悪というのは、自分に不本意な思いをさせた者にいだく感情といえる。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011034
笑いだしそうになるのを必死にこらえた。いちど笑いだしたら、どうしようもなく笑いつづけてしまいそうな気がしたからだ。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011035
あんなにしぶといやつが、そう簡単にくたばるはずはない!
そうでなくてはこまる!
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011036
みずからの意志で孤独でいるのと孤立無援とは、まったくちがう。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011037
人間てのはな、宇宙を理解したがる生きものなんだよ。宇宙の物語を作って、それが正しいかどうかをたしかめたがる――そういう生きものなんだ。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011038
どうやら、いつのまにかまたストレスをためこんでいたらしい。発散してみてはじめて、ストレスがたまっていたことがわかった。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)


#011039
なんだか生まれ変わったような気分だった。自分にはなにもない。無一文だ。それなのに、顔がひとりでにほころんでしまう。
(「ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫 SF マ 11-1) 」)